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ステップ Research Memo(4):2021年9月期は期初計画を据え置く。外部環境悪化がなければ上振れする公算大  6月15日15時14分

■今後の見通し

1. 2021年9月期の業績見通し
ステップ<9795>の2021年9月期の業績見通しは、売上高で前期比11.7%増の12,211百万円、営業利益で同40.2%増の2,706百万円、経常利益で同39.2%増の2,741百万円、当期純利益で同37.6%増の1,848百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までは計画を上回って推移しているものの、コロナ禍の今後の状況によっては、通常の授業が行えずオンライン授業となる可能性もあり、従来の計画を据え置くこととしている。コロナ禍の影響を受けていない過去5年間(2015年9月期~2019年9月期)の第2四半期までの平均進捗率を見ると、売上高で49.4%、営業利益で50.4%となっているのに対して、当期は売上高で51.7%、営業利益で63.1%と超過しており、第3四半期以降も通常授業体制が継続されるようであれば、計画を上振れする公算が大きいと弊社では見ている。

(1) 生徒数及び新規スクールの動向
2021年4月末時点の生徒数の動向を見ると、全学年で前年同期比10.1%増と好調に推移している。2021年9月期下期の計画は4.2%増を見込んでいたことから上振れてスタートしていることになる。内訳を見ると、中学生が8.3%増、高校生が8.4%増、小学生が23.2%増と全般的に好調だが、特に小学生の伸びが顕著となっている。これは、コロナ禍の影響を前期に最も強く受けたこと、中学生向けで定員が充足し募集を締め切るスクールが増加傾向にあるなかで、小学生段階で入塾して席を確保しておこうという動きが一部で出ていること、塾生の弟・妹が入塾するケースが増えていることなどが要因として考えられる。

中学生向けで生徒募集を打ち切っているスクール数は現在、中学1年生で34スクール、中学2年生で31スクール、中学3年生で23スクールと全スクールの2割前後に達している。2年前と比較しても1.6~1.9倍に増えており、神奈川県内における「STEP」の人気ぶりがうかがえる。1教室当たりの平均生徒数を見ても、小中学生部門は前年同期比8.0%増の175名、高校生部門は同8.5%増の371名とそれぞれ2021年は例年にない伸びを見せている。1教室当たり生徒数の増加は固定費率の低減による利益率上昇につながるため、今の状況が続くようであれば、2021年9月期は業績の過去最高更新だけでなく、営業利益率についても過去最高値(2017年9月期24.5%)を更新する可能性があると弊社では見ている。なお需要が旺盛なエリアに関しては、スクールを近隣に増設、移転増床などで今まで対応してきており、今後も同様の戦略で需要に応えていくことになりそうだ。

2021年9月期の新規開校としては、小中学生部門で3スクールを開校している。同社が注力している川崎エリアで3月に元住吉スクール(川崎市中原区)、4月にHi-STEP川崎スクール(川崎市幸区)を開校したほか、横浜エリアで3月に上永谷スクール(横浜市港南区)を開校している。旧川崎南部学区では初の開校となっている。いずれのスクールも順調な滑り出しを見せている。

(2) 学童保育の状況について
学童保育部門については、2020年に新規開設した2教室を含めて、現在3教室を運営している。2021年4月末時点の生徒数は前年同期比40名増の269名と順調に増加している。2016年に開校した「湘南教室」は既に黒字化しているが、2020年春に新設した「辻堂教室」「茅ヶ崎教室」は対象学年が2021年春から小学1~3年生に広がるものの、まだ先行投資段階のため損失が続く見通し。学童保育部門全体でも若干の損失となる見通しだ。

学童保育「STEPキッズ」は、「安全・安心で楽しく有意義な放課後、知的な成長の場」となる教室づくりを目指しており、知的好奇心を育むプログラム※も多く用意されていることが特徴で、生徒・保護者からの評価も高い。教室展開については、近隣に小中学生部門のスクールがある地域に開校していく戦略となる。学習プログラムの運営では小中学生部門のスクールの教師や教師経験者がサポートに入るケースがあるためだ。このため教室展開については、教室の立地場所の確保に加えて担当する先生のリソースを確保できるかが条件となり、現在は専任及び兼任のスタッフの採用・育成に注力している段階にある。

※プログラムとしては、キッズプログラム(学習系の習い事)としてサイエンス、プログラミング、英語、英会話、算数、ことば(国語)、はば広教養の7種類があり、エンジョイプログラム(スポーツや趣味の習い事)として百人一首、将棋、ダンス、音楽、体育、空手の6種類のほか、新たに手話が加わり子どもからも好評となっている。


(3) 費用の見通し
新規開校については3校とも賃貸のため、2021年9月期下期は地代家賃が若干増加する見通し。また、教師の採用・育成を強化しており、人件費は2021年9月期通期で前期比4~5%増を見込んでいる。2021年春の新卒社員は約20名と当初の計画(約30名)をやや下回ったものの、中途社員も含めて2021年9月期は約50名の採用を目指していく。そのほか、オンラインツールの環境を維持していくためのサーバー費用の増加で20百万円、入退室管理等のセキュリティ対策投資として約20百万円の費用増を見込んでいる。費用に関しては第2四半期まで計画比で抑えられており、人件費や地代家賃を除いて、下期に費用増要因となるものも現段階ではない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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