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明日の株式相場に向けて=新章突入か、日経平均上放れへ第1ステップ  6月15日17時00分

 きょう(15日)の東京株式市場は、日経平均株価が279円高の2万9441円と続伸した。今週に入ってリスク選好の流れに傾いている。前日は米国株市場でハイテク株比率の高いナスダック総合指数が史上最高値を更新、3万円台手前で逡巡していた日経平均の出遅れが必然的に際立つ状況だ。案の定日経平均は絵に描いたようなもみ合い上放れの様相を呈しつつある。2万9000円近辺でのもみ合いが長かった分、力が蓄えられており中期波動の分水嶺となっていた75日移動平均線を上抜いてからの戻り足に期待がかかる。日足一目均衡表も雲抜けが目前で機は熟したという印象を受ける。

 見切り発車的な部分は確かにある。目先の重要スケジュール、16日に判明するFOMCの結果とパウエルFRB議長の記者会見を見極めたいとのニーズがあるだけに、ここを通過した週後半から上昇気流に乗るイメージだったが、大勢トレンドが上を向いているケースでは大概は待ちきれず、ポイントとなるイベントの前に動きが出るというのが相場の常でもある。そうしたなか、きょうはトヨタ自動車<7203.T>が満を持して未踏の1万円大台に乗せてきた。“一人時間差アタック”のような少々意外なタイミングではあったが、市場のムードを明るくしていることは間違いない。

 今回のFOMCはテーパリング議論開始についての思惑が、必要以上にクローズアップされ過ぎていた嫌いもある。仮にパウエル氏が16日の記者会見で、わずかに“鷹の爪”をちらつかせるようなことがあっても、それはノイズであって金融政策そのものを方針転換するような類のものではない。米長期金利が上に大きく振れれば、株式市場も影響は免れないが、それでも調整は一過性で終わる可能性が高い。波の上下動と潮流の変化を見誤ってはならない。

 トヨタが見せ場を作ったからといって、主力大型株に偏重した地合いを意味するということでもない。相場全体の体感温度が高まるなか、中小型株にも個人マネーが還流している。個人投資家の土俵であるマザーズ市場の戻り足がそれを証明している。物色対象も一つの有望テーマで関連株を探すというよりは、多様な切り口で人気化する銘柄が増えているようだ。幅広くアンテナを張り巡らせておく場面といえる。

 自動車向け電動ベルト大手でEV向け駆動システム周辺技術でも高いノウハウを持つバンドー化学<5195.T>は6月初めに紹介したが、業績好調なだけに継続注目でよい。22年3月期はトップラインが2ケタ伸長を見込み、営業利益は前期比21%増の見通し。今期6円増配の32円と株主還元にも積極的で0.5倍台のPBRは依然として評価不足歴然といえる。同じく今月に入って取り上げた銘柄では、21年12月期に業績V字回復以上の伸びが有望視されるGCA<2174.T>も引き続きマークしておきたい。1000円トビ台というのは、株価が上に行く場合は値幅効率が良いポジション。仮に3日につけた1053円奪回となれば勢いがつく。

 また、パワー半導体関連で5月下旬に取り上げたタムラ製作所<6768.T>もきょうは大陽線を引いて6月7日につけた年初来高値にツラ合わせしており、目先一服場面は強気に対処してみたい。新しいところでは、鋳造機械メーカーで世界的な自動車販売好調の恩恵を享受することが予想される新東工業<6339.T>。22年3月期は増配を見込み、配当利回りは3.3%強に達する。バンドー化学と同様の観点で0.4倍前後のPBRは放置し難い。

 押し目狙いではカーリットホールディングス<4275.T>。化学品を手掛け付加価値の高いシリコンウエハーや精密研磨テープ材料など半導体関連の穴株として人気素地がある。リチウムイオン電池の試験設備を有しており、EV関連の一角としても存在感を示す。このほか、きょうは上ヒゲをつけたものの一時1130円まで買われ、5月28日の年初来高値を更新したアライドアーキテクツ<6081.T>なども押し目買い対象として面白い。

 あすは通常国会の会期末となるほか、5月の貿易統計、4月の機械受注の発表などが予定される。また、マザーズ市場に全研本社<7371.T>が新規上場する。海外では、中国で重要指標が相次ぎ、5月の中国小売売上高、5月の中国工業生産、1~5月の中国都市部固定資産投資、1~5月の中国不動産開発投資などがある。また、5月の米住宅着工件数、5月の米輸入物価のほか、FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見が注目される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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