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明日の株式相場に向けて=決算発表期の「個別株戦略」心得  7月29日17時00分

 きょう(29日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比200円高の2万7782円と反発。企業の決算発表があす30日に最初のヤマを迎える。400社以上が発表を控えるが、好決算絡みの銘柄を個別に攻める相場で、何とか全体のバランスを保った。きょうは、アジア株市場が総じて強調展開をみせたことで、東京五輪で沸き立つ日本だけが安いという景色は考えにくい。新型コロナウイルスの感染拡大は相変わらずだが、株式市場はよくも悪くも目が慣れてきて、「感染者数」にリンクする形で律儀に地合いが変化する局面ではなくなっているようだ。

 ただし、決算発表の本格化が近づいていることで投資家にすれば相場はやりにくい時間帯に入っている。“決算跨ぎ”はツボにはまれば大きな投資効果をもたらすが、仮に上方修正などを事前にうまく引き当てたとしてもコンセンサスに届かず売り叩かれるケースなどもあり、結果的に裏目を引くリスクの方が大きいと心得ておく必要がある。また、決算後にギャップアップもしくはギャップダウンした銘柄に照準を合わせる手法もあるが、見た目よりははるかに難しい。短期トレード専門の投資家であっても、走っている列車に飛び乗って次の駅で降りるような投資手法は怪我のもとだ。

 もっとも決算発表などどこ吹く風で派手な立ち回りをみせる銘柄もいくつかは存在する。直近で言えば、東京機械製作所<6335.T>がそれに該当する。同社株についてはアジアインベストメントファンドが大株主に浮上しており、しかも現在進行形で株式を強烈に買い増し続け保有株比率は既に24%弱に達しているが、その目的がよく見えないという声も聞こえてくる。市場関係者によると「アジアインベストメントファンドは共同保有にも名義が出てくるアジア開発キャピタル<9318.T>の傘下で、昔でいうところの仕手筋のようなポジションに近いが、これまでにも今回の前例となった銘柄はある。東京機械のような銘柄は信用買い残が膨らんでいても表向きと実態は違うケース(いつでも現引きが可能)がある。セミプロ的な投資家が空売りに妙味を感じて飛び込めば、食虫植物のように取り込まれて踏み上げの餌になってしまうことも少なくない」(中堅証券マーケットアナリスト)という。

 個別では引き続き短期決戦銘柄が好まれているフシがある。東京機械のような謎の爆騰を続ける銘柄もなくはないが、今の地合いは基本的に「上がれば下がる」の繰り返しで、魅力的な株高シナリオや収益力があっても一つの銘柄に惚れ込まないことが肝要だ。前日も触れたが、当面は需給の枯れた東証2部に優位性がある。東証1部は先物に振り回されやすく、中小型株の一角は新市場区分の「プライム外れ」のリスクがあるが、東証2部は場合によっては特定株を除いた部分で100億円を上回る時価総額を確保できれば“昇格”もあるわけで、パッシブファンドの組み入れという“臨時ボーナス”がついてくるようなケースもあり得る。

 東証2部銘柄では、ここ動きが出てきたのがインタートレード<3747.T>。米アマゾンがビットコイン決済を検討していると伝わり、暗号資産関連に位置づけられる銘柄に久しぶりに動意するものが相次いでいる。同社株はその一角で動き出せば足は速い。もちろんプライム昇格絡みの思惑には発展しそうもないが、その切り口であれば、例えばITサブスクリプション事業を手掛け業績急成長が続いているパシフィックネット<3021.T>は面白い存在といえる。また、ギグワークス<2375.T>も信用買い残はやや重いものの、好業績にも関わらず6月中旬以降急速に株価水準を切り下げたことで値ごろ感が生じている。このほか東証2部銘柄以外では決算通過組の銘柄に着目。マクニカ・富士エレホールディングス<3132.T>、ダイセキ環境ソリューション<1712.T>、東京製鐵<5423.T>の押し目はマークしておきたい。

 あすのスケジュールでは、6月の失業率・有効求人倍率、6月の鉱工業生産、6月の商業動態統計、6月の住宅着工など。国内主要企業の決算発表では日立製作所<6501.T>、NEC<6701.T>、デンソー<6902.T>、コマツ<6301.T>、武田薬品工業<4502.T>などが予定される。海外では、7月のユーロ圏消費者物価指数、6月のユーロ圏失業率、7月の米シカゴ購買部協会景気指数、7月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)6月の米個人所得・個人消費支出など。米主要企業の決算発表はキャタピラー<CAT>、P&G<PG>、シェブロン<CVX>、エクソンモービル<XOM>などが注目されている。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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