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明日の株式相場に向けて=ポスト菅政権を読む相場か  8月23日16時59分

 週明け23日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比480円高の2万7494円と3日ぶりに急反発。全体相場が調整色を強め、週末にダメ押し的な下げがあった週はその翌週明けに急反騰に転じるケースが結構な頻度で出てくる。日経平均が下げる理由には事欠かないが、実際は急落した日に絶対的な下げの理由があったかといえば、後日振り返ってそうでもなかったと感じることも少なくない。今回もそのケースだ。先物を導線に無人の高速エレベーターが上下する。とりわけ市場参加者が限定され流動性が低下した夏枯れ相場では、アルゴリズム主導で頻繁に起こりやすくなる。

 前週は「トヨタショック」が槍玉に挙げられていたが、きょうは何が変わったのか明確な答えはない。市場では、トヨタショックは通期の生産台数見通しを下方修正していないにも関わらず思惑先行で売られ過ぎたからその反動で買われたとするが、「思惑先行で売られ過ぎた」というのはきょうの同社株のパフォーマンスを見たからいえる理屈である。また、横浜市長選で菅氏が支援する候補が大敗を喫したから、目先悪材料出尽くしで買われたというような曖昧な理由も後講釈の域を出ていない。横浜市長選の結果は株価が急落した場合でも理由として十分過ぎるくらい使える。結局、今の相場は“やじろべえ”のように奇妙なバランスで揺れているが、今のところ指から滑り落ちることはない。日経平均は大きく下押せばリバウンドに転じるし、急騰すればその反動が早晩訪れるというボックス圏での推移と割り切って考えておくよりない。波動は違っても個別株も同様の理屈である。

 ただ、今回の横浜市長選は新たな潮の流れを発生させた。立憲民主党が擁立した山中氏が大勝、菅首相が全面支援した小此木氏が敗北を喫したことは、今後の政局不安の火種となるというよりも菅首相の無投票再選のシナリオを消し、9月の総裁選実施をほぼ確実にしたということが実はプラス面として大きいという見方もある。9月17日公示、29日投開票の線が濃厚となっているが、いずれにしても“次の首相”が誰になるかにマーケットの関心が向くなか、自民党にすればうまく立ち回れれば、総選挙で勝てないまでも大負けを回避できるという思惑がある。

 高市早苗氏か下村博文氏か岸田文雄氏か。「麻生、安倍の両派閥が推しやすいという点では高市氏が有利にも見えるが麻生・二階氏は安泰で傀儡政権のイメージが強い。国民目線で失点の少ない岸田氏が有力に見える。また、菅氏本人も続投に意欲をみせているという声も聞かれるなか、今のところ選挙がどういうシナリオで走るのか読み切れない」(準大手証券ストラテジスト)という。

 また、今週はパウエルFRB議長の講演に世界の耳目が集まる。26~28日の日程で行われる予定だったジャクソンホール会議は、コロナ禍でオンライン開催となり、日程も27日の1日間に短縮された。だから注目度が低まったということではないが、パウエルFRB議長の講演はこのタイミングで敢えてテーパリングの開始時期についての言及は避ける公算が大きいという見方も強まっている。9月のFOMCでもテーパリング開始を宣言するには至らず、「デルタ株の影響で超金融相場の賞味期限という点では従来よりも伸びたという印象がある」(前出のストラテジスト)とする。

 個別株もきょうは全面高に買われたが、そのなか再び海運株への物色人気が目を引いた。前週後半にわずか3営業日で1000円以上も下落した日本郵船<9101.T>だったが、PER2倍台で9%の配当利回りというのは、バリュエーションで考えれば見送る理由がない。23年3月期がどうなるかは分からないが、今はまだそこを気にする段階ではない。押し目買い対象として、大手海運株は今後も常に目を配っておきたい。

 中小型株では人工知能(AI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)などの銘柄が値ごろ感から仕切り直す動きが目立ってきた。TDCソフト<4687.T>、アイエックス・ナレッジ<9753.T>、NECネッツエスアイ<1973.T>などのシステムインテグレーターのほか、AI関連のシンボルストックであるブレインパッド<3655.T>が動意含みだ。

 あすのスケジュールでは、東京パラリンピック開催(~9月5日)、7月の全国スーパー売上高など。なお、ジャスダック市場にタンゴヤ<7126.T>が新規上場する。海外では、7月の米新築住宅販売件数など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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