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明日の株式相場に向けて=「半導体&脱炭素」に流れ込む投資マネー  9月06日17時00分

 週明け6日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比531円高の2万9659円と大幅高で6連騰となった。自民党総裁選が近いことで政治の閉塞感が打破されるとの期待から全体相場は一気に買い戻しが進んでいる。しかし、それにしても凄まじい上げ足でショートポジションを積み上げていた向きは否応なく踏まされるという展開。流動性相場の威力というものを今回も見せつけられる格好となった。

 元来、株式市場は意外性に満ちたマーケットであり、客観的に正しい思われる見解を連続して裏切るようなことがままある。これは上げと下げどちらにも当てはまるが、いったん合理から外れた領域に足を踏み込んだら、それは加速するという特性がある。昨年春先以降の新型コロナウイルス感染拡大を背景とした超金融緩和環境において、常にベクトルは上方向でマーケット参加者のネガティブな思惑とは逆に進むケースが繰り返されてきた。今回も、コロナ禍での閉塞感が菅政権の支持率低下と相まって日本株を買えない理由に挙げられていたが、今振り返れば政局不安が大きく取り沙汰されたところが陰の極であった。

 自民党の次期新総裁の顔はまだ見えてこない。いわば菅首相以外のミスターXであれば、それが誰であっても、どんな政策スタンスであっても、まとめて買いというのが前週からの流れだが、きょうあたりの脱炭素関連株(太陽光発電関連)買いと電力株(原発関連)売りを見る限りにおいて、マーケットは“河野新総裁”を意識しているようにもみてとれる。

 ともあれ菅首相の退陣によって必然的に自民党総裁の顔が変わるという事実が日経平均株価の噴き上げにつながった。これにはAIアルゴリズム取引による影響も大きいと思われるが、今回は日経平均もTOPIXも5日移動平均線と25日移動平均線のゴールデンクロスが示現してからの戻り足は鮮烈を極めた。さすがに、いったん調整が入るはずだが、場合によっては一気に3万円大台まで走っても不思議はないムードとなっている。

 個別では、国内政局と直接関係はないが半導体関連株の物色人気が凄まじい。レーザーテック<6920.T>は7月中旬にゴールドマン・サックス証券の投資判断引き下げを境に株価の上値が重くなり、8月中旬以降は次第安の展開でフシ目の2万円台を割り込んだ。「ここで弱気に傾いた向きが投げてきたが、そこを海外筋に見事に拾われた」(中堅証券ストラテジスト)という。マスクブランクス検査装置を独占供給する同社は、これからEUV露光装置市場の拡大の恩恵を本格的に満喫する。更にオランダのASMLが取り組むEUV次世代機への思惑もある。現状はやや開発が遅れているが、遅かれ早かれ市場に投入される公算大とみられ、そうなれば一段の収益飛躍も可能となる。

 東京エレクトロン<8035.T>もレーザーテックに続き上場来高値更新が近づいている。また、半導体洗浄装置で世界トップのSCREENホールディングス<7735.T>のほか、米アプライド・マテリアルズ<AMAT>や台湾のTSMCを主要顧客に抱えるローツェ<6323.T>なども戻り足が急だ。マルチビーム描画装置を手掛ける日本電子<6951.T>は8月末の引け後に発表した大型公募増資を嫌気され大きく値を下げたが、あっという間にその時の下げ分を埋め、きょうは大幅に上場来高値を更新している。当欄では半導体向け超純水装置を展開する野村マイクロ・サイエンス<6254.T>を継続的に取り上げてきたが、きょうは5600円まで買われ最高値を更新した。半導体需給が逼迫するなか、韓国サムスン電子は台湾のTSMCと生産能力増強合戦の様相にあり、野村マイクロにとっても商機拡大が見込める。このほか、半導体関連の小型株では丸文<7537.T>や伯東<7433.T>、ダイトーケミックス<4366.T>などが強いチャートでマークしたい。

 一方、脱炭素関連も、同テーマで双璧ともいえるレノバ<9519.T>とウエストホールディングス<1407.T>の上げ足をみても分かるように、太陽光発電関連を中心に再び物色の矛先が向いている。Abalance<3856.T>やオーナンバ<5816.T>などにも目を配っておきたい。

 あすのスケジュールでは、7月の景気動向調査、7月の毎月勤労統計調査、7月の家計調査など。また、30年物国債の入札も予定される。海外では8月の中国貿易収支、豪中銀による政策金利発表、4~6月のユーロ圏域内GDP確報値、9月の独ZEW景況感指数など。また、米3年国債の入札も予定される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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