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明日の株式相場に向けて=「マイナンバー&カラオケ」関連に意外性  9月30日17時00分

 きょう(30日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比91円安の2万9452円と4日続落。ここ冴えない相場が続いている。前日の欧州株は軒並み堅調で、米国株市場もNYダウはプラス圏で着地した。米長期金利の上昇に対するアレルギーが再発しハイテクセクターは依然として調整圧力が強いものの、景気敏感セクターはバランスを保っている。とすれば、前日に日経平均は640円近い下げをみせていただけに、きょうはとりあえず反発に転じるのが自然な流れであった。しかし、朝方こそ売り買いを交錯させていたが、意外なことにその後日経平均はジリジリと下値を探る展開に変わった。後場は再びプラス圏に浮上したが、買いは続かず結局マイナス圏で着地している。

 もっとも、きょうは全体指数でいえば9月中間期末という事情以外にも特殊要因が絡んでいた。日経平均株価の10月1日の定期入れ替えに伴うリバランスの動きがそれである。新規採用銘柄となるキーエンス<6861.T>、任天堂<7974.T>、村田製作所<6981.T>の3銘柄は上昇、除外となる日清紡ホールディングス<3105.T>、東洋製罐グループホールディングス<5901.T>、スカパーJSATホールディングス<9412.T>の3銘柄は軟調な動きと、ここまでは普通の感覚で理解できる。しかし、日経平均寄与度最大の銘柄であるファーストリテイリング<9983.T>が暴れ馬のごとく上昇、上げ幅は一時3600円あまりに達した。これはやはり不自然と言うよりないが、今回の入れ替えに伴うテクニカル的な先物買い・現物売りの余波で、ファストリにはインデックス買いが流入したと見られている。

 ただし、前日の自民党総裁選では岸田文雄氏が新総裁の座を射止めたわけで、もし岸田新首相が海外投資家に評価される存在であったら、きょうはそうした事情などまるごと飲み込むような買いが入ってもおかしくはなかった。国民的な支持はともかく“河野太郎首相”を株式市場が追い求めていたわけではなく、岸田氏の勝利で少なくとも失望売りに晒されるようなイメージもない。事実、前日のマーケットを振り返ると岸田銘柄とされるレオクラン<7681.T>はストップ高に買われ、ITbookホールディングス<1447.T>やキャリア<6198.T>なども後場に買い直される展開となっていた。しかし、きょうはこれらの銘柄も朝方の高値形成後は利食い急ぎの動きが表面化し、値を崩す展開を余儀なくされている。

 岸田氏は年内に数十兆円規模の経済対策を講じる考えを示している。しかし、海外投資家の視線は何故か冷ややかだ。「これまでに政府は新型コロナ対策で積み増した予算のうち、約30兆円を使い残した状態で、正直信頼されていない。この数十兆円規模の対策とは、今まで使ってない分の消化も含めてという意味にもとられかねない。」(準大手証券ストラテジスト)と皮肉る声も聞かれた。また、センターレフトの政権に対し、やはり金融所得増税に対する思惑が株価の上値を重くしている部分もありそうだ。

 個別株も長期保有を決めている銘柄以外は、当面は機動的に対応することが求められる。全体相場はまだ下値があることを前提に、引き続き待機資金を潤沢にしておくことを念頭に置きたい。地合いが悪くてもその場その場で買われる銘柄は必ず存在するが、今はベクトルの向きも変わりやすい。長い上ヒゲをつけた銘柄は決してネガティブではなく、翌日以降も短期資金を誘引しやすいことで良い意味で注目できるが、上ヒゲをつけにいく主体とならないよう気をつける。また、それに気づくことも大事で、裏目を引いたと思ったらすぐ降りるスタンスを心掛ければダメージを最小限に抑制できる。目先マークしてみたいのは、岸田関連の側面もあるマイナンバーに絡む銘柄。富士ソフトサービスビューロ<6188.T>が有力。高値引けとなっているが、チャート的には初動とみてよさそうだ。同関連株では今月取り上げたSIG<4386.T>が人気化している。また、リベンジ消費ではカラオケ関連に動きが出ている。業績は良くないが株式需給に着目した買いが鉄人化計画<2404.T>あたりに入っていた。これを横にらみにウチヤマホールディングス<6059.T>もマークしておきたい。

 あすのスケジュールでは、8月の有効求人倍率・失業率、9月の日銀短観、日銀金融政策決定会合の主な意見(9月21~22日開催分)、9月の消費動向調査など。海外では、中国で国慶節による大型連休がスタート(10月7日まで)。これに伴い中国株市場と香港株市場は休場となる。このほか、9月のユーロ圏消費者物価指数、8月の米個人所得・個人支出、9月の米ISM製造業景況感指数、9月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)などが発表される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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