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明日の株式相場に向けて=波の上下動に怯(ひる)むべからず 10月21日17時00分

 きょう(21日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比546円安の2万8708円と3日ぶりに急反落した。前日も朝方に大きく上昇した後に尻すぼみで上げ幅を縮小する展開だったが、きょうも後場寄り一段安でエントリーしたことから嫌なムードが漂った。その予感的中ではあったが、午後1時過ぎからはまさにつるべ落としのような下げとなり思いのほか押しが深くなった。

 きょうは香港株市場で取り引きが再開された中国不動産大手の恒大集団が急落し、これが東京市場にも影響を与えた形となった。恒大集団が不動産子会社の売却交渉を打ち切ったことで、資金繰り難がまたぞろ強く意識されたためだ。もっとも日経平均の波乱は、それを理由とするAIアルゴリズムの先物絡みの売り仕掛けといった方が正しいかもしれない。香港ハンセン株指数の下げが1%前後に収まっていたのに対し、なぜか日経平均は2%近い下げをみせた。日本株売りの要因にはアジア株安と米株価指数先物の下げが影響したとの見方だが、何のことはない、日経平均の下げだけが突出していた。中国・上海株市場に至ってはその後プラス圏に切り返している。

 恒大の問題はいったん置くとして、グローバル的見地に立った全体観としてはインフレに対する警戒感がやはり拭えない。原油価格高騰も米長期金利の上昇も経済回復プロセスにおける健全な体温の上昇であれば問題はないが、現状はコロナ後をにらんでいるとはいえ、それとは別次元のレベルで原油を筆頭とするコモディティ価格上昇が続いている。ビットコイン価格が約半年ぶりに過去最高値を更新したのも、ビットコイン先物にリンクさせたETFが米国市場で上場したというイベントのみで語れるものではない。6万6000ドルを上回るここまでの道のりは過剰流動性の賜物であり、資産インフレの匂いが漂う。

 一方、米10年債利回りは3月末の水準である1.7%台半ばを超えてくると、マーケットも冷静ではいられなくなるという見方もあるが、当面はボラティリティの高い地合いでトレンドが見えにくい。今のところ振幅は大きくても波の上下動と理解し、怯(ひる)まず突っ込んだところは買いで報われる可能性が高い。逆に噴き上げたら買い増すのではなく売りを優先しなければ、なかなか利益はついてこないのが今の相場の特徴だ。

 個別では非鉄や資源関連セクターは市況高の追い風が吹くが、安易に高値に買いつくのは危うい感触がある。例えば高騰が続いているアルミ市況は今週に入って軟化したが、すると途端に大紀アルミニウム工業所<5702.T>も下押すというように、銘柄を買うのではなく市況そのものを買うような状況になっている。アルミ市況高が今後も中期的に続くのかどうかは根拠の伴う形で予想はつきにくく、正直、運否天賦の領域だ。

 非鉄や資源関連という切り口であれば、株価が出遅れているものに照準を合わせるほうが得策で市況が軟化しても株価への影響を受けにくい。したがって、例えば高値圏を走る資源リサイクルのエンビプロ・ホールディングス<5698.T>を買うのであれば、アサカ理研<5724.T>の押し目を拾っておく方が作戦的には有効と思われる。

 一方で半導体関連は、きょうは東京エレクトロン<8035.T>をはじめ大きく利食われる格好となったが、早晩仕切り直しの買いが入る、と考えておくのが妥当だ。半導体製造装置大手ASMLホールディング<ASML>が発表した21年10~12月期売上高予想が市場コンセンサスを下回ったことが嫌気されたが、売りの口実にされたに過ぎない。7~9月期を境にピークアウト感が指摘されるが、株価的な物の言い方をすれば、今年の夏が半導体需要の大天井であるわけがない。チャートの壊れていない三井ハイテック<6966.T>やフェローテックホールディングス<6890.T>などの押し目をマーク。また、中小型株ではプローブカードを手掛ける日本電子材料<6855.T>の安いところは妙味がある。

 あすのスケジュールでは、9月の全国消費者物価指数(CPI)が朝方取引開始前に発表される。主要企業の決算発表では東京製鐵<5423.T>(4~9月期決算)、中外製薬<4519.T>(1~9月期決算)が予定されている。海外では10月の独購買担当者景気指数(PMI)、10月の仏PMI、10月のユーロ圏PMI。また、米国でも10月の製造業PMIが発表される。このほか、ロシア中銀が政策金利を発表する。タイ市場は休場となる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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