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明日の株式相場に向けて=EV関連株に流れ込む投資マネー 11月10日17時00分

 きょう(10日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比178円安の2万9106円と4日続落。衆院選直後の今月1日に754円高と急騰した時には、相対的に出遅れ感の強い東京市場の日経平均3万円大台復帰は時間の問題と思われた。しかし、皮肉なことに足もとでは上ではなく下方向に大台を変えそうな雰囲気となっている。

 耳をそばだてるまでもなく、世界的にインフレの足音が聞こえている。欧米が口裏を合わせているということでもないのだろうが、FRBもECBも「インフレは一時的なもので利上げを急ぐ必要はない」という主張を変えていない。傍目(はため)には、強がっているようにも見えるのだが、「今なお米10年債利回りが1.4%台にとどまっているということは、市場がパウエル氏の言うことを信用している証」と生保系エコノミストはいう。

 しかし、それでも徐々に外堀が埋まってきているような印象を受ける。きょう前場取引時間中に発表された中国の2つの物価指標が市場関係者の耳目を集めた。10月の中国消費者物価指数(CPI)は前年比1.5%の上昇。確かにこの数字自体は大したことはないと思えるが、同月の生産者物価指数(PPI)のほうは13.5%の上昇、CPIとPPIのカイ離に今さらながら驚かされる。石炭価格の高騰など特殊事情があるとしても、どこかで川下にインフレ圧力が伝播してくる可能性は否定できない。また、米国では日本時間今晩に10月のCPIが発表される。PPIは発表済みで+8.6%(コア指数で+6.8%)と比較可能な2010年11月以降最大の伸びが続いている。CPIは予想が+5.8%だが、これが6%台に大きく上振れしたような場合は、ちょっとした波乱になる可能性がある。

 東京市場では軟調地合いのなかも、電気自動車(EV)関連の一角にはしたたかに投資マネーが流れ込んでいる。英グラスゴーで今月12日までの日程で開催中のCOP26では、脱炭素社会実現に向けた国際的なコンセンサスが更に強化されることになるが、二酸化炭素排出の象徴でもある自動車は議題の中心から外せない。何といっても自動車産業は400兆円規模の世界市場を有するだけに、産業構造的な変化が生じた場合の衝撃波は大きい。きょうは、COP26でガソリン車など内燃機関を持つ自動車の新車販売について主要国で2035年に、世界でも40年までに停止するとの宣言に24カ国が参加したことが伝えられており、EV普及加速のシナリオを改めて想起させた。

 米国ではテスラ<TSLA>がここ急落している。しかし、これはイーロン・マスクCEOの保有株売却を巡る懸念が株価を揺るがしたもの。波乱安には違いないが、他のEV関連に売りを誘発するような類いの下げではない。テスラの現在の時価総額はバブル的な要素を含有していることは否めないが、逆の見方をすればEVがかなり近い将来この400兆円巨大市場を席巻する存在となることを暗示している。

 そうしたなか、継続的に取り上げてきた三井ハイテック<6966.T>の上げ足が際立つ。きょうは大手証券の強気の投資判断も追い風に一時790円高の9600円まで買われ上場来高値更新となった。三井ハイテクについては1万円大台ラインでゴールのテープを切るわけではなく、あくまでそこは一里塚という認識で機関投資家と思われる買いが継続している。振り返って、コロナショック渦中の昨年3月中旬、同社株は何と900円台だった。ICリードフレームを手掛け半導体関連としての切り口に加え、モーターコアの大手メーカーであることがEV市場の成長にリンクしたスター銘柄としての資質を開花させた。既にテンバガーを達成したが、時価総額でみればまだ3000億円台に過ぎない。

 小型株では、EVシフトで新たな商機をつかんでいるザインエレクトロニクス<6769.T>もマークしたい。車載用の高速情報伝送用LSIに対する引き合いが今後高まりそうだ。また、株価が中低位で魅力のある自動車部品会社ユニバンス<7254.T>も要注目。同社は日産自動車<7201.T>を主要顧客とし、モーターやインバーター、車軸などをコンパクトに統合したEV向け駆動部品ユニット「eアクスル」に傾注し、商機を捉える公算大。

 あすのスケジュールでは、10月の国内企業物価指数、10月の都心オフィス空室率など。国内主要企業の決算では日揮ホールディングス<1963.T>、日本マクドナルドホールディングス<2702.T>、楽天グループ<4755.T>、ブリヂストン<5108.T>、住友不動産<8830.T>などがある。海外では、中国「独身の日」ネット商戦、7~9月期英GDPなど。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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