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coly Research Memo(5):「EX」を見据え、総合エンタメ事業の成功ノウハウ長期構築 11月17日16時05分

■中長期の成長戦略

1. 「EX」を見据えた総合エンターテインメントへの展開
SNS普及などを通じて社会における「個」の影響力が強まるなか、coly<4175>は今後あらゆる産業が個の感情を動かすことに関わる業態にシフトすると考えている。具体的には、感情を「挑戦、学習、成長、表現」といったものが関連する「達成欲求」と、「承認、交流、応援、貢献」といったものが関連する「愛情欲求」の2つに分け、個のアクションにこれら欲求の充実感を与えるビジネスが広く普及することを指す。同社はこの産業の将来的な大規模シフトを「EX」と呼んでいる。

同社は足元で女性向けエンターテインメントを軸に展開しているが、対象とする市場・媒体を増やし、エンターテインメントの総合的な成功方法論を社内で確立することで、来るEXに向けた基盤を整えている。超長期的な産業・市場の動向を見据え、それに向けた取り組みも考えつつある同社のトップビジョンの存在は、投資家としても投資の可否を判断するうえで重要である。足元の業績はもちろん、今後の方針や外部環境についても、より注目が高まると弊社は考える。

2. 総合的な「女性向け市場」をターゲットに
同社はモバイルオンラインゲームとそこから派生したMD事業を軸に、「女性向けコンテンツ市場」を事業ポートフォリオ全体の対象としている。モバイルゲーム市場自体が年々成長を続けるなか、女性向けゲームが徐々にアプリのセールスランキングで上位を占めるなど、とりわけ女性向けゲーム市場の成長スピードは速い。同社の女性向けゲーム・コンテンツについては市場の成長を一部同社が主導している部分もあると見られ、先行者としての知見・ノウハウの積み上げは今後も市場&業績拡大に大いに貢献すると弊社は考える。

3. 競合環境・競争優位性
同社は強みとして、「高い内製化率」「ユーザー目線を持つ社員比率の高さ」「ゲーム・MD事業両輪での成長」の3点を挙げている。そのため投資家から見た際には、同業他社と比較して「高い営業利益成長率」「各タイトルの高いヒット率」「MDの存在による開発に依存(コスト負担増)しない成長シナリオ」といった優位性を持つ。また、営業利益の成長率が高いことはもちろん、タイトルのヒット率の高さは費用(開発費)対効果の高いリターンへとつながり、また開発に依存しないビジネスモデルは、利益の長期的な成長を期待させるものである。これらは一般的なゲーム事業がはらむ事業リスクを大きく軽減させるものであり、また幅広いMD展開も併せ持つことから、同社は株式市場でも独自性の強い稀有な会社として認知されていくと弊社は予想する。

4. 海外展開
同社は海外展開も積極的に計画している。アジア圏における女性ゲーム市場は大きな成長余地があり、中華圏における女性向けゲーム市場は2015年の2,000億円超から、2023年には約1.4兆円にまで拡大する見込みとされており、日本の10倍ほどの市場規模があると想定されている。中華圏の市場は日本市場と文化的に共通する部分があり、同社は現地のリスクを考慮したうえで、現地企業との協業などにより適切なローカライズを図る考えだ。同社は現在海外では繁体字圏(台湾・香港)と韓国のみで展開しているが、今後は東アジア全域へと領域拡大を検討している。また、東アジアに展開した後は、欧米他の地域への展開へとつなげる考えだ。

上記のとおり中華圏での女性向けゲーム市場の成長は著しく、それを包括した「女性向けコンテンツ市場」も潜在的に極めて大きなボリュームがあると推察される。同社の持つ女性向けコンテンツ事業における強みを発揮しながら海外展開を進めることで、業績は指数関数的に伸びる可能性もあると弊社は見ている。

5. 優れたSDGs
スイスに本部を置く非営利財団世界経済フォーラムは2006年から毎年ジェンダーギャップ指数を発表しているが、2021年の発表で日本は156ヶ国中120位であった。こうしたなか、同社は代表取締役社長・副社長を女性が務めているほか、女性社員比率72.8%(全国平均約25.8%)、女性管理職比率62.5%(同7.8%)、女性役員比率28.6%(同5.2%)と、女性が大きく活躍する会社となっている。このほか、ジェンダー・国籍による差別のない就業環境も整備しており、外国籍社員比率は9.5%となっている。今後は、同性間の結婚・事実婚についても異性間の婚姻と同様に結婚祝金・結婚休暇等を付与するなど、パートナーシップ制度の導入も検討している。こうした優れたSDGsへの取り組みは、優秀な人材採用はもちろん、社会・株式市場における高い認知度・評価につながり、同社の海外展開などへも大いに寄与すると弊社は予想する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)




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