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No.1 Research Memo(3):環境良好なビジサポ通じて顧客啓蒙進む。ストック収益拡大で低利益率にメス(1) 12月06日15時13分

■業績動向

1. 2022年2月期第2四半期累計業績の概要
2022年2月期第2四半期累計(2021年3月-8月)の連結業績は、売上高で前年同期比33.1%増の6,741百万円、営業利益で同148.4%増の369百万円、経常利益で同81.0%増の384百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同82.7%増の206百万円と各項目で大幅な伸びを見せ、それぞれ過去最高を更新した。

No.1<3562>のメイン顧客層である中小企業において、大企業に比べて遅れていたDXの流れが浸透し始め、ITを活用した業務運営の効率化、事業構築などウィズコロナの新たな時代への対応が喫緊の課題となるなか、同社商材の需要が拡大した。とりわけ情報セキュリティー機器の商品市場においては、ITによる業務の効率化やテレワークの拡大などによって情報危機管理に対するニーズが急速に高まっており、情報セキュリティー機器・サービスに対する社会的需要が一段と増加した。一方、OA機器の商品市場においては、ペーパレス化の進行やテレワークの浸透により、市場の成長鈍化も見受けられた。

後に詳述するアレクソンの買収と、それに伴う高付加価値商品の拡販といった複数の成長材料を背景に同社の業績は売上、利益ともに足元で急速に伸びている。特に、卸売りのビジネスモデルで大きな課題となる低い営業利益率については、メーカー機能を担うアレクソン買収をきっかけに大きなメスが入り、改善の傾向が続く。それと併せて足元では同様に利益率の高いサブスクリプションモデルの事業も積極的に展開しているほか、システム投資なども寄与する見通しであり、今後の収益性の更なる改善は同社の大きな注目点になると弊社は見ている。

2. 買収したアレクソンとのシナジー奏功
2020年7月から子会社となったアレクソンの豊富な商品ラインアップにより、引き続き情報セキュリティー商品の販売が伸びている。アレクソンは元来OEM・ODM開発、ネットワーク・セキュリティー機器、環境・医療を軸とした事業を展開している。上流工程の開発から事業を手掛けていることで付加価値は高く、また創業以来積み重ねてきた技術力と、顧客の要望をもとに製品を企画するプル型開発という特徴も相まって、結果的に同社のサービスラインに独自性・差別化要素を与えている。

M&A後のシナジーについても、進展は良好である。機能面で優位性のあるアレクソン製商材であるが、価格面でも競争力があり、ここに同社グループの持つ広範な販売ネットワークと、強力な営業体制が加わることで、アレクソン商材の売上は堅調に伸びている。また、従来備えていたサービスラインの中でアレクソン商材と親和性の高いものをクロスセルすることで、売上の成長ポテンシャルをさらに高めている。

加えてPMIについても滞りなく進んでいる。同社はアレクソン買収後、基本的な業務フローなど根幹部分のメスは入れず、摩擦の少ない統合を進めた。結果、人材面、オペレーション面など多方面でスムーズな統合を実現しており、シナジーも相まって、M&Aにおける会社としての成功体験となっている。このように、一般的には大きなリスクを伴うM&Aにおいて、リスクを抑え、シナジーをうまく創発する体制は、今後のさらなるM&Aへの期待を高めるものと弊社は考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)




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