クールジャパンを輸出せよ!!
マンガやアニメ、日本食など、世界に誇るべき日本の文化が、ここ数年、世界から注目され続けているのは、広く知られていることですよね。
「クールジャパン」と総称されるその文化を、海外に伝え、成長戦略の柱に育てようと、政府も様々な政策作りを進めています。「クールジャパン」は、本当に日本の成長を担うことができるのでしょうか?
マンガの品揃えで世界最大規模を誇る、電子書籍大手のイーブックイニシアティブジャパン(以下 イーブックジャパン)小出斉社長は、「将来、日本の成長の一翼を担うことになる」と、今後の見通しを力強くお話くださいました。
現在、日本のマンガなどコンテンツの市場規模は、米国に次ぐ世界二位。特にアジアでの知名度が高く、「アニメ・マンガ」=「日本のもの」という意識がとても強いそうです。
ただ、中国や韓国、インドなどアジア各国のコンテンツも人気が急上昇しており、日本の地位は、決して安泰とは言えません。たとえば韓国では、文化の輸出を国が全面的に支援しており、代表的なコンテンツであるKポップといわれる音楽や韓流ドラマが、日本をはじめ世界でも安定した人気を築きつつあります。
一方、日本のコンテンツは知名度が高い割に、世界への輸出比率は5%程度と、海外輸出比率が20%近い米国に比べて極端に低く、海外事業が企業収益に貢献しているとは言い難い現状です。だからこそ、海外での攻め方次第では、発展・成長も大きいと考えられるわけです。
小出社長によると「海外戦略は、しっかり進めています。近い将来にお話できるかもしれません」とのこと。世界マーケットを虎視眈々と狙っているようです。
日本国内のように書店網が整っていない新興国では、スマートフォンやタブレットの急速な普及により、事業環境が急速に好転しています。とりわけ、携帯端末で手軽に利用できる電子書籍に関心が集まっており、いよいよ海外展開を活発化するタイミングが訪れたといえるでしょう。
外国人の日本文化に対する関心が高まれば、海外における日本製品・サービスの売り上げを増加させるだけでなく、海外からの観光客を国内に呼び込むことにもつながります。その結果、企業収益を向上させ、雇用獲得などに波及する可能性も秘めているのです。
お話を伺ったイーブックジャパンの小出社長は、事業会社や外資系経営コンサルティング会社勤務を経て、出版業界に活躍の場を移したという、この業界では異色の人材です。グローバルで豊富な経験が、これからの成長が期待されるクールジャパン市場に、必ずや新風を吹き込んでくれるでしょう。
企業の力は、日本の魅力のひとつです。官の動きに頼りすぎず、自らのソフトとハードの強さを両輪にして、世界で活躍する...そんなクールジャパン企業の今後から目が離せません。
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株式会社イーブックイニシアティブジャパン 小出斉社長
内田 まさみ(うちだ まさみ)プロフィール
過去コラム一覧
ラジオNIKKEI等で活躍中のフリーアナウンサー。1999年に日本短波放送に入社。数々の経済番組を担当した後、フリーに。
現在ではアナウンサー業に加え、ディレクターとして番組制作も手掛けている。また、雑誌や新聞などでの執筆活動も行っている。オールアバウトのFX担当ガイド。
現在出演中の番組
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(いずれもラジオNIKKEIで放送中)
掲載日:2014年10月27日